Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
「左様でございますね、別に御用ってほどのこともねえでございますがね、それではこれでお暇を致しましょうか知ら」
「あの、金助さん、お前さんに御用がなければ、わたくしの方にお聞き申したいことがあるのですけれど、ちょっとあちらまで来て下さいませんか」
「へえ、お松様、あなた様から何か私に御用があるとおっしゃるんですか、よろしうございます、そうおっしゃられるといやと申し上げるわけにも参りませんな、お邪魔を致しましょう」
金助は恩にきせるような言い方をして、お松のあとに従って、長い廊下の奥へ行く途中で、
「なるほど、結構なお邸でございますな、ははあ、こちらの障子が霞でございますな、欄間の蜀江崩しがまた恐れ入ったものでげす、お床の間は鳥居棚、こちらはまた織部の正面、間毎間毎の結構、眼を驚かすばかりでございます、控燈籠の棗形の手水鉢、あの物さびたところが何とも言われません、建前にこうして渋いところを見せ、間取りには贅を凝らしておいて、茶室や袖垣のあんばいに、物のさびというところをたっぷりとあしらったところなどは実際憎うございますよ。おやおや、大した石燈籠、こりゃ本格ですよ、橘寺形の石燈籠、これをそのまま据えたところなんぞは、飛ぶ鳥も落すようなものでげす、十万石以上のお大名でもなけりゃ出来ません。