Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
「安房の国、清澄の茂太郎は、幼い時に父母に別れ、土地の庄屋に引取られ、いろいろと憂き艱難、朝は山、夕べは磯、木を運んだり汐を汲んだり、まめまめしく働くうちに、庄屋のお嬢さんに可愛がられ、お嬢さんの頼みで、鋸山は保田山日本寺の、千二百羅漢様の、御首を盗んだばっかりで、お嬢さんと引分けられ、清澄山へと預けられ、そこで修行をするうちに、空を飛ぶ鳥や地に這う虫、山に棲む獣と仲良しになり、茂太郎が西といえば西、東と言えば東、前へと言えば前、後ろへと言えば後ろ、泣けといえば泣きもする、笑えといえば笑いもする、芳浜の小島に、生えている美竹を、笛にこしらえ吹き鳴らす、その笛の音を聞く時は、往く鳥は翼を納め、鳴く虫は音をしのび、荒い獣も首を低れて、茂太郎の傍へと慕い寄る……真紅島田の十八娘、茂太郎のために願かけて、可愛の可愛のこの美竹」
誰いうとなく、こんな文句が流行り出したのは、それから暫くの後でありました。
看板に山神奇童とあるから、それは山男の出来損ないのようなものであろうと、誰も最初はそう思っておりましたが、見に来たものは、まず誰でもその意外なのに驚かされないわけにはゆきません。