Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

ja-reading.com

Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.

だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

「いいえ、あれは上野の鐘です、ほかの鐘とは音の色が違います」

弁信は取合わないで、鐘の音を数えていたが、

「ああ、九ツです、もう九ツになりましたね」

「そうでしょう、もうかれこれ、そんな時分でしょうよ」

それで二人はまた歩き出しました。左は土手、右は籾倉の淋しいところを通って行くと、和泉橋の土手には一個所の辻番があります。

「どうも御苦労さまでございます、私は本所の法恩寺前の長屋に住んでおりまして、弁信と申しまする琵琶弾きでございます、おそくなりましてまことに相済みませんでございます」

こう言って、先方から何も言われない先に弁信は丁寧に名乗って、お辞儀をしてその前を通り過ぎました。お蝶はその馬鹿丁寧をおかしいと思いながらも、盲目だというのに、どうしてここに辻番のあることだの、辻番に人がいるかいないかだの、それがわかるのだろうかと不思議に思います。それのみならず、さきに鐘の音に耳を傾けた時も、自分にはどこで、どんな鐘が鳴ったのだか、さっぱりわからないうちに、この琵琶弾きはそれを聞き取った上に、確かにこれは上野の鐘だと極めをつけてしまったのも不思議です。盲は目が見えない代りに、勘がいいものだというが、それにしてもこの琵琶弾きは、あんまりに勘が好過ぎると思いましたから、