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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

それでもこの分じゃ、ちっとばかり荒れますよ」

船頭はこう言って乗客の不安を抑えておいて、一方には水主の方へ向って、

「やい、つかせてやれ、開いちゃ悪いぜ、まきり直して乗り落すようにしねえと凌ぎがよくねえや、そのつもりでやってくれ、いいかい」

大きな声で怒鳴りました。

「おーい」

水主や荷揚が腕を揃えて帆を卸しにかかろうとする時に、弗として一陣の風が吹いて来ました。

「あ、こいつは堪らねえ」

その沫を浴びた者が、荷物の蔭へ逃げ込むと、

「上からも落ちて来たようだぜ」

果して水は、横から吹きかけるのみではありません。

真暗になった天から、パラパラと雨が落ちて来たのを覚った時分に、船は大きな丘に持ち上げられるような勢いで辷り出しました。そうして或るところまで持って行かれるとグルリ一廻りして、どうッと元のところへ戻されて行くようです。

「さあ、いけねえ」

乗合はそれぞれしっかりと、手近なものへ捉まりました。

「下へ降りておくんなさい、急いじゃ駄目だ、この綱へつかまって静かに、静かに」

船頭と親仁は声を嗄らして乗客を一人一人、船の底へ移します。船の底の真暗な中へ移された二十三人の乗合は、そこで見えない面をつき合せて、