Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

幽霊の食物は、世間並みのものではいけない、人間の生命を食わなけりゃあ生きてゆけないのだ、だから、無暗に人が斬ってみたい、人を殺してみたいのだ、そうして、人の魂が苦しがって脱け出すのを見るとそれで、ホッと生き返った心持になる。まあ、筋を言えば、そんなようなものだが、このごろはそれさえ、根っから面白くなくなったわい、人を斬るのも、壁を斬るのと同じようにあっけないものじゃ。辻斬が嫌になったら、その時こそ、この幽霊も消えてなくなるだろう、まあ、それまでは辛棒していてくれ」

竜之助は寝返りも打たないで、洒然としてこう言ってのけました。

「うーむ」

枕許に腕を組んでいた宇治山田の米友が、それを聞いて深い息をして唸り出したが、頓着せず、

「友造どん、お前の槍の手筋はどこで習ったか知らないが、まるで格外れで、それで、ちゃんと格に合っているところが妙だわい。拙者の如きは、これでも幼少より正式に剣を学んだのじゃ、先祖以来の剣道の家に生れて、父と言い、師と言い、由緒の正しいものだ。拙者だけは破格だ、師に就いたけれども師がない、型を出でたけれども型が無い、一生を剣に呪われたものかも知れぬ、生涯、真の極意というものを知らずに死ぬのだ、もし、神妙というところがあるなら、それを知って死にたいものだがな」