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Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

人影は権現の社の方をめざして歩みを運ぶもののようであります。

「そこへ行くのは宇津木ではないか」

火薬の製造所をやや離れてから後ろに呼ぶ声を聞いて、前に進んで行った若い侍風の人は、ハタと歩みを止めました。

「誰だ」

闇の中から透して後ろを顧みたところへ、

「おれだ、南条だ」

と言ってなれなれしく近寄って来たので、

「おお」

と言って前なる人は、驚きと安心とで立って待っていました。呼ばれた通りこれは宇津木兵馬であります。

「久しぶりだった、久しぶりにまた妙なところで会ったものだ」

目の前に立ったのは、甲府の牢内にいる時と、その牢を破ってから後も、苦楽を共にした奇異なる武士の南条でありましたから、

「これは南条殿、全く珍らしいところで……どうしてまたこの夜中に、その身なりで」

「それよりも宇津木、君こそこの夜中にどこへ行ったのじゃ」

「ツイそこまで」

「ツイそことは?」

「近いところに知人があって」

「近いところとは?」

「それは、あの……」

「いや、隠すには及ばない、君が今あの火薬の製造所から出て来たところを見かけて、拙者は後をつけて来たのだ」

「エエ! それでは見つかったか。しかし、余人ならぬ貴殿に見つけられたのは心配にならぬ」