Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

「なるほど」

南条はその船体を見ることが、いよいよ熱心であります。

「どうも、こうして調べて実地に当って見れば見るほど、我ながら知識の足らないことと経験の浅いことが残念でたまらぬ。だから拙者は思い切って洋行してみようと思っているのじゃ」

駒井甚三郎がこう言うと、小型の蒸気船の模型を見ていた南条が、急に駒井の面を見て、

「ナニ、洋行?」

と言いました。

「その決心をしてしもうた」

「それは悪いことではない、君の学問と才力を以て洋行して来れば、それこそ鬼に金棒じゃ」

「書物と又聞では歯痒くてならぬ、それに彼地から渡って来る機械とても、果してそれがほんとうに新式のものであるやらないやらわからぬ、彼地ではもはや時代遅れの機械が日本へ廻って、珍重がられることもずいぶんあるようじゃ、このごろ、少しばかり火薬の製造機械を調べているけれど、思うように感心ができぬ、何を扨置いても洋行したい心が募って、じっとしてはおれぬ」

「大いに行くがよい」

「白耳義のウェッテレンというところに、最良の火薬機械の製造所があるということじゃ、その工場をぜひ見て来たいものだと思うている、しかし、それは他国の者には見せぬということじゃ、やむを得ずんば職工になって……君のように労働者の風をして、忍んで見て来たいと思うている」