Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
君女のことも、どうしてやってよいか自分にはわからぬ、そなたの思うように保護してくれいとのお言葉。帰りは長くて一年、或いはまた……」
「よくわかりました」
兵馬の説明をお君はキッパリと返事をしました。兵馬の重ねて説明することを必要とせぬほどに、キッパリと言い切ってしまいました。
「もうお聞き申すこともござりませぬ、殿様は前から西洋がお好きでございました、わたくしのことなんぞを今ここで申し上げたとて、お取り上げになろうはずがござりませぬ、もうあのお方のお心のうちは、西洋の学問やなにかのことでいっぱいなのでございます、わたくし風情が何を申し上げたとて、それに御心配をなさるような、賤しいお方ではござりませぬ、それだけお聞き申せば、もう充分でござりまする」
お君としては冷やかな言い分でありました。その冷やかな言い分のうちには、多くの自棄の気味、自棄と言わないまでも、全くの失望をわざと冷淡に言ってのける頼りない心持を、兵馬にあっても見て取れないというわけではありません。
「悪く取ってはなりませぬ、能登守殿のお身の上を推量すると、拙者にはお気の毒でお気の毒で、どうも立入って強いことが言えない」