Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

やや離れたところへ着いた犬殺しは、二人ともに籠をそこへ下ろして、籠の中から大きな鎌を取り出してまず腰にさし、それから筵を敷いてその上へ尻を卸し、次に籠の中からいろいろの道具を取り出して、道具調べにかかりました。その道具というのは、一束の細引と、鉄製の環と、大小幾通りの庖丁と、小刀と、小さな鋸などの類であります。

「長太、どうもあの鉄の鎖が邪魔になって仕方がねえな」

長吉は犬を見ながらこう言って長太を顧みると、長太はもっともという面をして、

「そうだ、あの鎖を外してかからなけりゃあ思うようにはやれねえ」

二人は今に至っても、まだムク犬の首に捲きつけられた二重三重の鉄の鎖を問題にしているのであります。実際、あの鎖があっては、皮を剥きにかかる時に、どのくらい邪魔になるかということは、素人目にも想像されることです。

「だからおれは、あいつを外してしまって、その代りにこの環を首へはめて、細引で松の枝へ吊しておいて仕事にかかりてえと思うのだ」

「けれども、あのくらいの犬だから、細引じゃあむずかしかろうと思われるぜ」

「ナーニ、大丈夫だ、こいつを二重にして引括れば何のことはあるものか」