Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

南条なにがしは、お松を助けて江戸へ出て、それからこの老女にお松の身を托したということは、おのずから明らかになってくる筋道であります。

或る日、南条なにがしは、不意に一人の人をつれてこの家を訪れ、老女の傍にいたお松を顧みて、

「お松どの、珍らしい人にお引合せ申そう、奢らなくてはいかん」

と冗談を言いながら、

「宇津木」

と呼びました。次の間にいた兵馬が、なにげなくこの座敷へ通ってまず驚いたのは、そこにお松のいることでありました。お松もまた一見してその驚きと喜びとは、想像に余りあることでありました。

「まあ、兵馬さん」

甲府以来、その消息を知ることのできなかった二人が、ここで思いがけなく面を合せるということは、全く夢のようなことであります。

「いや、これには一場の物語がある、君に事実を知らせずに連れて来たのは罪のようだけれど、底を割らぬうちが一興じゃと思うて、こうして連れて来た。お松どのを、御老女の手許までお世話を頼んだのは拙者の計らい、その顛末は、ゆっくりとお松どのの口から聞いたがよい。今宵は当家へ御厄介になってはどうじゃ、拙者も当分この家へ居候をするつもりだ」