Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

そのなかには、曾て甲府の獄中にいた南条と五十嵐との二人の姿を見ることができます。

「ああ、南条が知っている、あの男を責めてみるとわかるだろう」

それで集まった人々が、

「南条君、君に聞いたらわかるだろうと衆議一決じゃ、あの女は、ありゃいったい何者だ」

座中の一人が問いかけました。南条はワザと怖い目をして、

「知らん、拙者は女のことなぞは一向に知っておらん」

と首を振りました。

「そりゃ嘘じゃ、君はたしかに知っている、君が連れて来て老女殿に預けたものと、一同が認定している」

「詰らん認定をしたものじゃ」

「そう言わずに白状したがよろしい、情状はかなりに酌量してやる」

「白状するもせんもない、どこにどんな女がどうしてござるか、拙者共は一向に不案内、おのおのから承りたいくらいじゃ」

「こいつ、一筋縄ではいかぬ、拷問にかけろ」

「たとえ拷問にかけられても知らぬ、存ぜぬ」

こんなことを言って彼等は大きな声で笑いました。大きな声で笑ったけれど、更に要領を得ることではありませんでした。しかし、一座の者は、これは確かに、南条が知っていながらしらを切るのだろうと認定をしていることは動かせないのであり、ほかのことと違って、こういうことを知っていながら知らない風をするのは罪が深いと、一座の者が南条を憎みました。