Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
それから二三日して、お松は暇をもらって、相当の土産物などを調えたりなどして、長者町に道庵先生を訪れました。
その時分には、先日の手錠も満期になって、手ばなしで酒を飲んでいましたが、話が米友のことになると、道庵が言うには、あの野郎は変な野郎で、ついこのごろ、薬を買いにやったところが、その代金を途中で落したとか取られたとか言って、ひどく悄気て来たから、そんなに力を落すには及ばねえと言って叱りもしないのに、気の毒がって出て行ってしまった。さあ、その行先は、よく聞いておかなかったが、なんでも本所の鐘撞堂とか言っていたようだ、と言いました。
米友の行方を道庵先生が知っているだろうと、それを恃みに訪ねて来たお松は、せっかくのことに失望しましたけれど、なお近いうちには便りがあるだろうと言われて、いくらか安心して帰途に就きました。お松が、道庵先生の屋敷の門を出ようとすると出会頭に、
「おや、お松じゃないか」
「伯母さん」
悪い人に会ってしまいました。これはお松のためには唯一の伯母のお滝でありました。ただ一人の現在の伯母であったけれども、決してお松のためになる伯母ではありません。