Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
いかがでございます、時々は狂歌、都々逸、柳樽の類をおやりになっては。ああいったものをやりますと、自然に人間が砕けて参りますな、人間にそれだけユトリが出来て参りますな、人間は朝から晩まで子曰わくではやりきれません、風流ということは大切なものでございますよ、ちと、その方を御指南致しましょうかね、は、は、は」
「金助どの」
「はい」
「お前は、これからどこへ行く」
「私でございますか、私はこれから少しばかり淋しいところへ行くのでございます、淋しいところと言ったからとて、別に幽霊やお化けの出るところではございません、古城の方へ参るのでございます、古城は、躑躅ヶ崎は神尾主膳様のお下屋敷まで、これからお見舞に上ろうというんでございます」
「左様か」
金助は言わでものことまで言ってしまいました。兵馬は計らず都合のよいことを聞いてしまいました。
「ねえ鈴木様の御次男様、昨夕の火事は、お驚きなすったでございましょうね」
金助は同じようなことを繰返しました。
「驚いたとも」
「私も驚きましたよ、まさか、あすこへ、あれほど思い切って赤い風が吹こうとは思いませんからね」
「金助どの、あれは一体、放火か、それともそそう火か」