Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
「それをお話し申し上げると長いのでございますが、この房州の芳浜というところまで、人を雇いに参ったのでございます、その途中、舟が暴風雨に遭いまして、わたしが、いちばんヒドい目に遭わされるところでしたが、そのヒドい目に遭わされようとしたわたくしだけが助かって、こうして殿様のお世話になっているのかと思うと、ほんとに何かのお引合せのように思われてなりません」
「しかし、よく助かったものじゃ、拙者も自分ながら不思議に堪えられない」
「今朝になりまして、清吉さんから、わたくしをお助け下された委細のお話をお聞きしまして、わたしは、ほんとうに神様に守られているんじゃないかと、勿体なくて、涙がこぼれてしまいました」
「ところで、その清吉が見えないが……何とかいうて出て行きましたか」
「いいえ、お正午少し前までここにお見えになりましたが、それから、わたくしは今まで眠っておりました故、何も存じませぬ」
「はて……」
甚三郎は、いよいよ清吉のことが不安になってきました。
そうして、次の一本の蝋燭に火をうつして、それをまた提灯に入れ、
「淋しかろうが、そなたは一人で、暫らくここに留守している気で待っていてくれるように。