Japanische Klassiker mit Furigana
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だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
「いや皆さん、これだこれだ、これはその八十文で買った拙者の安煙草入でげすがね……」
また始まった。高島四郎太夫を友達扱いはよかったけれども、安煙草入を満座の中へさらけ出して、八十文の値段までブチまけるから、それでお里が知れてしまいます。
「この煙草入について四郎太夫を憶い起すんでございますよ、まあお聞きなさいまし、拙者が若い時分、四郎太夫に奢らせて、友人両三輩と共に深川に遊んだと思召せ、その席へ幇間が一人やって来て言うことには、ただいま拙は、途中で結構なお煙草入の落ちていたのを見て参りました、金唐革で珊瑚珠の緒〆、ちょっと見たところが百両下のお煙草入ではございません……てなことを言うと、それを聞いた高島が吃驚して腰のまわりを探った様子であったが、やがて赤い面をして腰から自分の煙草入を抜き取ってね、中の煙草を出して丁寧にハタいて、それを幇間の前へ置いたものさ。幇間が吃驚して、そんなわけじゃございません、旦那様をかついだわけではございません、なんて言いわけをするのを、高島が言うことには、なにもお前らにかつがれたところが恥と思うおれではない、ただ煙草入を落したものがあると聞いて、自分の腰を撫でてみたおれの心が恥かしいと言ったものさね。