Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
だいぼさつとうげ
大菩薩峠5
中里 介山
Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme
「お恥かしうございます」
さすがのお角も、なんだか赤くなるように思いました。
話が済むと甚三郎は、さっさと立って自分の居間へ行ってしまいます。そうして夜おそくまで何かの研究に耽るらしくありましたが、お角は、ひとり取残されたように炉辺に坐っておりました。前に言ったように、この洲崎の遠見の番所は、離れ島のような地位に置かれてあります。前は海で、陸地つづきは、ほとんど交通を断たれているのであります。
お角も、かなりおそくまで、炉の傍に、ぼんやりとして燈火を見つめたり、火箸を取って灰へ文字を書いたりしていましたが、
「わたしゃ、あの殿様はわからない」
と自棄のようなことを言って、帯を解いて男の着物を寝衣にして、蒲団をかぶって寝てしまいました。
けれども、その翌朝は、早く起きて、水を汲んだり、御飯を炊いたり、掃除をしたり、いっぱしの女房気取りで、気持のよいほどの働きぶりであります。
朝の食事が終ると、甚三郎はまた海岸へ出て行きました。正午時分にいったん帰って、居間へ閉籠ったが、しばらくすると、またどこへか出て行きました。そうして夕方になって戻って来ました。
夕飯の時は、またお角を相手にして、軽快に四方山の話を語り出でました。