Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

「どう致しまして、これは、わたしから御前にお願いして、強ってやらせていただく役目なんでございます、決して言いつけられてやっているお役目ではございません。わたしですか、今年十七になりました、エエ、このお山へ参ったのが日蓮上人と同じことの十二歳でございました。こんなに眼の不自由になったのはいつからだとおっしゃるんですか。それは、つい近頃のことですよ。もっとも小さい時分から眼のたちはあまりよくはございませんでしたがね、この春あたりからめっきり悪くなりました、桜の花の咲く時分に、ポーッとわたしの眼の前へ霞がかかりましたよ、その霞が一時取れましたがね、秋のはじめになると、またかぶさって参りましたよ、今度は霞でなくて霧なんでしょうよ、その霧がだんだんに下りて来て、今では、すっかり見えなくなりました。へえ、そりゃ随分悲しい思いをしましたよ、心細い思いをしましたよ。けれども泣いたって喚いたって仕方がありませんね、前世の業というのが、これなんです、つまり無明長夜の闇に迷う身なんでございますね。その罪ほろぼしのために、こうやって毎晩、この燈籠を点けさせていただく役目を、わたしが志願を致しました、自分の眼が暗くなった罪ほろぼしに、他様の眼を明るくして上げたいというわたしの心ばかりの功徳のつもりでございますよ。