Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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だいぼさつとうげ

大菩薩峠5

中里 介山

Lesen Sie 大菩薩峠5 (だいぼさつとうげ) von 中里 介山 (なかざとかいざん) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 262.120 Zeichen · 516 Bildschirme

Aozora Bunko

と言って、がんりきは例の左手で懐ろから財布を引き出すと、その中から掴み出した一握りを、鶏の雛に餌を撒くような手つきで、バラッと投げ散らしました。

がんりきの百は、角兵衛獅子を相手に大尽風を吹かしていると、妙義の町の大人も子供も、その騒ぎを聞きつけて出て来ました。この見物の半ば最中に、角兵衛獅子の登って来たのとは反対の方角の側から、同じところへ登って来た一行があります。

この一行は角兵衛獅子のような嗚物入りの一行とは違って、よく山方に見ゆる強力の類が同勢合せて五人、その五人ともに、いずれも屈強な壮漢で、向う鉢巻に太い杖をついて、背中にはかなり重味のある荷物を背負っています。

大尽風を吹かしていたがんりきの百が、ふとこの五人の同勢の登って来たのを見ると、

「おいおい角兵衛さん、もうそのくらいでいいよ、御苦労御苦労」

ここへ来た五人の強力の同勢は、さあらぬ体に、この額堂下の甘酒屋へ繰込んで来ました。

先に立った強力の一人を、よく気をつけて見れば只者ではないようです。そのはず、この男こそ、碓氷峠の陣場ヶ原で一昨夕、焚火をしてなにものをか待っていた南条力でありました。