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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme

Aozora Bunko

「いよいよ正面衝突かね」主馬はにやっと笑った、「念を押すまでもないだろうが、諸事、穏便にたのむよ」

「どうなるかね」

「冗談でなく、ぜひたのむよ」

「しかし先方で穏便にさせておかないかもしれないぜ」

「そのときはだね、うう」

ふと主馬は、唆られるような顔をし、だがすぐ思いかえしたようすで、「そんなとき、忍耐に使ういい話があるんだ、たった今のことなんだがね、すばらしい話なんだが、あとで聞かせるよ」

こう云って、惜しそうに舌打ちをした。

谷町へいくと、はたして、取次の侍まで、態度がよそよそしくなっていた。客間も、とっつきの八帖で、いつもの正客の間ではなかったし、さらに驚いたのは、茶をはこんで来たのが、小間使だったことだ。

武家では、客の接待に召使を出すことはない。玄関の取次はいうまでもないし、座敷の給仕も家士か、家族の者がするのが、定りである。したがって、そのとき、小間使に茶をはこばせたのは、明らかに侮辱であるし、冲左衛門の怒りの、前触れにちがいなかった。

――これは相当荒れるぞ。彼はそっと微笑した。

四半刻ほど待つうちに、庭のほうで、はでな女の嬌声が聞えた。