Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
「若さまはよせ、どうしたんだいったい、お嫁にでもゆくのか」
「ええ、ええそうなんです」
へんに力をこめて、こんどは俯向いて、袴の紐を折りながら云った。
「いろいろと、あったんですけれど、それでいちど御相談したかったんですけれど、でもどうやら話がきまりましたから」
「じゃあお祝言だな」
「もうそれも、ここ四五日のうちですの」
「それはおめでとう」
半之助はこう云って、ふと笑いながら、「お婿さんはどんな人だ」
「申上げちゃいましょうか」なをはこちらを見た、「この家の板前をしている、清太郎という人なんです、御存じじゃないでしょうけれど」
「うん知らない、しかしそれは、いい縁じゃないか、同じ家にいたのなら、お互いに気ごころも知れているだろうし」
「ええ、とても温和しい、いい人なんです」
云いかけて、あら、と顔を赤くし、汗になった肌着を干すために、慌てて立った。
「ごめんなさい、手放しで若さまにのろけたりして」
「あとでお祝いに、二人で一杯飲んで貰おう、今のうちにその人にそう云っておいて呉れ」
「はい、ぜひ頂きにあがらせますわ」
冷たい砂糖水をひと口飲んで、半之助はそこへ横になった。