Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
「彼女は良人に死別して、女の子を二人つれて実家へ戻った、もうなにも二人の仲に障害はないから、貴方の結婚の申し込を承知する、という仰せだ」
そこで主馬は渋い顔をした。世の中にこれより渋い顔はない、といいたいくらいの、第一級の渋い顔であった。
「これには少しの誇張もない、彼女はすこぶる明朗で、無邪気で、塵ほどの汚れもない顔つきで、こんなふうな眼つきをして、しなやかに身をくねらせて云うんだ、自分は貴方ひとりが生涯の良人だと信じていた、死ぬまでそう信ずるであろう、男の子は婚家へ取られたが、女の子二人はどうしても離せない、まわりの反対を押し切って連れ戻った」
「待って呉れ、あれは、嫁にいってからたしか、まだ四年そこそこじゃなかったのか」
「連れ戻った女の子というのは双生児なんだ」
「なんと、それは……」
「その双生児のためにも、貴方は良き父親になって呉れるだろう、と彼女は云ったさ、そう信じて少しも疑わない、なぜなら、貴方は自分を誰よりも愛していて呉れるから……どんなに隠しても、自分にはそれがよくわかる、そう云って、あでやかに身をくねらせ、こんなふうな眼で、私のことを見ました」