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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme

Aozora Bunko

待伏せがいるとすれば、すぐみつかるし、隠れようもなかった。

だが案じたような事も起こらず、村田は無事に茶屋へはいって来た。

「青山が捉まったよ」

階段口までいって、半之助がそう云った。暑さで少し痩せてみえる平四郎は、いつもの、少しも動じない眼つきで、半之助の話を頷きながら聞き、「すぐ手配をしよう」と低い声で云った。

「心配しなくっていい、かれらには、なにもできやしないんだ」

「しかし村田も帰るほうがいいんじゃないか、家へいってみていないと、かれらはまた此処へ来ると思うが」

「大丈夫だよ」

背の高い平四郎は、ちょっと前跼みになるような歩きぶりで、座敷へはいりながら、重兵衛と松室に挨拶し、本のはいっているらしい、風呂敷包を、半之助に渡した。

「これを参考に読んでおいて呉れないか、新井白石の書いたものの写本だがね、まだ板行されていないんだが、東雅という題の書物で、巻の十三から十六まである、穀類菜類から、草木の部まで、字解や類別だけだけれど、そのうち本草綱目をやるときに便宜だから」

半之助はふきげんに包を受取った。

それから酒になったが、平四郎の云ったとおり、終るまでなにごともなかった。