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Japanische Klassiker mit Furigana

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やまびこおとめ

山彦乙女

山本 周五郎

Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme

Aozora Bunko

「そうだ、決して不自然ではない」

かんば沢に近よることが、古くから厳重に禁じられ、近よった者は、みな無事ではなかった。それは、この一郷の者にとって、この洞窟が、非常に重要な意味を、もっているからであろう。非常に重要な、……つまり巨額な財宝のほかに、信玄の遺骸が納めてある。神域である。ということをも証明するのではないか。

「近よった者は、みな無事ではなかった、ときに帰ることのできた者も、廃人のようになっていたという、……廃人のように、とはどういうことだろう」

それはおそらく、他の多くのばあいのように、話に尾鰭がついたものであろう。だが、叔父もまた狂人のようになった、まったく狂人のように。……けれども、他のばあいとは違うのだ。

「たしかに、叔父のばあいは、他のものとは違う」

半之助は次のように、仮定してみた。

叔父はこの洞窟へ入ることができ、中にある財宝をみつけだした。そのとき叔父は、それを自分の物にしたい、と思わなかったであろうか。妻の不貞、都会生活の倦怠、いろいろな意味から、叔父は(そのため甲府勤番にまわされるほどの)放蕩をした。叔父の気質には、そういう脆いものがあった。