Japanische Klassiker mit Furigana
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やまびこおとめ
山彦乙女
山本 周五郎
Lesen Sie 山彦乙女 (やまびこおとめ) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 126.360 Zeichen · 251 Bildschirme
にも拘らず、それは半之助を、かつて経験したことのない、罪に似た感覚のおどろきと、恐怖にちかい魅惑とで押し包んだ。
「ばかな、なにをそんなに」
やがて彼はこう呟いた。そんなことに気を奪われている自分が、ふと自分で恥ずかしくなったのである。
「――つまらない」
吐きだすように云って、起きなおって、片方の腕の、痺れたところを揉んだ。
下の裏手で、なにやら人の騒ぐ声がした。半之助はぼんやりそれを聞きながら、頭はまた同じところへもどっていた。裸になって汗を拭くことは、たしかに異常ではない。けれども女がそのような場所で、たとえ召使にもせよ、三人もの若者の前に素肌をあらわし、かれらの手で汗を拭かせる、というのは、少なくとも尋常とはいいがたい。
――いったいなに者だろう。
武家でないことは、若者たちが、浅黄色の肩衣をつけていたことで、ほぼわかる。またかれらの、どこかしらものものしい態度から、遊芸人の類でないことも、察しがついた。おそらく富裕な町家の者だろうが、人の妻だろうか、娘だろうか。
――眉はおとしていなかった。
しかしそうではない、眉はなかったようだ。こんなふうに思っていると、乱暴に、どたばたとおいそがあがって来て、「おつれさまですよ」