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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

二人はこの男の意外な行動にちょっと呆気にとられましたが、そうなると、もう意地ずくです。全身がぴんと職業的に緊張してきます。ちょうど物理学でいう力の釣合というやつで、一方の力が加わってくると、それに対する反動とそれに正比例して加わってくるのです。二人は一目散にあとを追いかけました。ところが、逃げてゆく男の姿は咄嗟の間に、どっかへ消えてしまいました。二人は、五条油小路を中心として、手わけをして、路次という路次、軒下、物陰などを隅から隅まで探しましたがとうとう見つかりませんでした。

「野郎びっくりしてかくれてしまいやがったんだ。いまいましい奴だな」

「まあいいさ、別に泥棒をとり逃がしたっていうわけでもないんだから」

二人は島田家の前でおちあってこんなことをいってあきらめていました。

「だが、ついでにちょっと家の中をしらべてみようか?」

「それには及ばんだろう。もうおそいからびっくりさしちゃ気の毒だよ」

「しかし、万が一何かあった場合にこちらの手抜かりになるからな」

「それもそうだが。……なるべくおとなしくやろうぜ、君はどうも乱暴すぎるよ、いつかの臨検の時も……」

「そんな古いことはよせ、とにかくはいってみよう」