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Japanische Klassiker mit Furigana

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あるたんぼうきしゃのはなし

平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕

平林 初之輔

Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme

Aozora Bunko

もう一ぺん大きな声でもしもしと呼んでみたがそれでも何の返事もないのだ」

「うん、それで?」

「よっ程よく眠っていると思ったもんだから、戸締まりをしてねるように注意してやろうと思って、とうとう部屋の中へあがってみたんだ。そして娘の肩のあたりへ手をかけて、もしもしってゆすぶってやったよ。きっとおれの姿を見てひどく魂消るだろうと思っていると、それでも何の音沙汰もないのだ。手に持っていた書物をぱたりと落とした音で、あべこべにこちらがびっくりしたくらいだった」

「殺されていたんだな?」

「ところがそうじゃないのだ。呼吸は普通にしている。体温にも異状はない。きっと誰かに麻酔薬をかがされたんだよ。こちらへ来てみて成る程と合点がいったわけだが、泥棒が、娘に騒がれては困ると思って、麻酔薬をかがしておいて、それからゆっくり、こちらの仕事にとりかかったんだろう」

「あの時裏口に張り番をしていりゃわけなくつかまったに、おしいことをしたなあ」

「過ぎたことは仕方がない。とにかく、大急ぎで本署へ報告しなきゃならん」

「じゃ君はこの場に見張りをしていてくれ、僕は急いで電話をかけてくるから。