Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
あるたんぼうきしゃのはなし
平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕
平林 初之輔
Lesen Sie 平林初之輔探偵小説選I〔論創ミステリ叢書1〕 (あるたんぼうきしゃのはなし) von 平林 初之輔 (ひらばやしはつのすけ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 113.247 Zeichen · 229 Bildschirme
もっとも患者が強く興奮するとああいう症状をあらわすことは珍しくないのです」
「それから二度目に行ったのはその翌日の夕方でしたが」と彼は職業がら少し言いにくそうに言葉をつづけた。「何しろ流感がひどくはやっていて、手放せない患者があったものですから、ついおくれましてね。けれども、どうせ、はやくお伺いしたところで、どうにもしようはなかったのです。四時少し前に使いの方が来られて、すぐ行ってみましたが、その時はもうこときれたあとでした。実にめずらしい患者でしたよ。何でも私が前日診察した時まで、一度も医者にかけたことはない様子でしたからね。まるっきり、蒼ざめた剥製の人間という感じで、息の通っていたのが不思議なくらいでした」
瀬越医師の話はこれで了った。
「その男はたしかに船井三郎と申しましたか?」と私はあっけにとられてきいた。
「本人は昏睡状態で、口をきくことはできなかったのですが、玉村というその家の主人が患者のお友達とかで、患者の住所姓名から原籍まですっかり知っていて私にそう言いました」
私には玉村という男はぜんぜん心あたりがなかったので、
「その主人というのはどんな男でした?」