Japanische Klassiker mit Furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme
拾ったというと語弊があるが、彼が箱根で山駕にのると先棒をかついでいたのが、この勘太で若くて体もいいのに、ひょろついてばかりいる。そしては後棒の雲助に、
――どじめ。しっかりしろい。
と口ぎたなく罵られるので、介三郎が見かねて訊ねてみると、後棒が、
――こいつはまだ、箱根で稼ぐなんざ、無理なんでさ。なんたって、つい一月ほどまえから、初めて駕をかつぎ出した野郎ですからね。まだ一人前の雲助たあいわれませんや。靄助ぐらいな新米なんで。
それから介三郎は、宥りと、旅の興とで、
――もや助、もや助。
と、おもしろ半分に呼んで、つい三島まで乗ってしまったが、三島の休み茶屋で、そのもや助が、
――旦那がいつも、下に置いたことなく、大事そうに持っている物は、いったい何ですか。
と、たずねた。
介三郎が答えて、携えている物は、さる貴人のお筆になった碑銘の草稿であると、楠公建碑のことを、てみじかに話して聞かせるとひどく感服して、
――じゃ旦那は水戸ですね。
と、ふと、人なつこい眼をした。
空駕とわかれて、千本松原のあたりまで来ると、後棒者も駕もすてて、もや助のみが一人で、