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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

――白石の後家、雪乃とおつたえ下さればわかりましょう。よろしゅうお取りつぎを……」

と、小腰をかがめている老女は、美人といわずに何といおう。髪も白い、からだも細い、柳腰もやや曲がってはいる。――けれどその楚々たるすがたは、梅は老いてもなお梅であるように女らしいひとであった。

「承っておりました。老公にもおまちかねです。さあ、こちらへ」

案内に立とうとすると、こよいの紹介役について来た牧野惣左衛門が、

「こちらは、ご息女のお蕗どのです。……その由もあわせて、ご前へ」

と、口を添えた。

お蕗は、母のかげに、寄りそうたまま、黙って礼儀をしただけであった。

悦之進は、なぜか、

「はあ」

とのみで、それには強いて眼をそらしてゆく。案内して玄関から控えに通し、取次にゆくまで、何となくそわそわしていた。

「おや、老公には?」

大勢のいる元の部屋へはいってゆくと、悦之進はまごついた。まるでさっきの様子とは座の景観がちがっているからである。

各のまえに行儀よくならべた配膳も、思い思いなところへ運び、大きな鍋のかかっている炉を中心にかたまり合っているのだった。

「悦之進か。ここじゃ、わしもここにおるよ」