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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

国の亡ぶ時、自分はない。

まして、侍は。

そこで憂いの多い若い仲間が、稀に鬱屈を伸ばすために、かつてはあったが近頃は絶えていた汁講を復活して、一昨年あたりから月々集まっていた。

ひと口にいえば、大いに喰らい、大いに飲む会である。

政談や誹謗はやらないと規定している。密会ではない、公然の会だからである。気も浩然と養おうという集まりだからである。

「それでは意味がないではないか。この藩政ご窮乏のなかに」

と、初めは、賛成しない者もあったが、それはそれとして会をつづけてくるうちに、いつかおのずから顔ぶれがきまってしまった。

形式を尊ぶものや、口舌だけの憂国家は、いつか来なくなってしまったのである。それらの君子はほかへ行って、

「あれは牛飲馬食の会だ。このご節約の世に怪しからん」

などと相かわらず口舌の憤慨をしているらしいが、その汁講にきまってそろう顔ぶれを見ると、なるほど健康な胃ぶくろばかりだが、その代りに、みな、

「――事あれば」

と、各※(二の字点、1-2-22)の身命を、ここだけでも一つに固めて、いつなん時でも国のためには死なんというすがたが、そう口に出し合わないでも、明らかに観てとれる人たちばかりだった。