Japanische Klassiker mit Furigana
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ばいりせんせいぎょうじょうき
梅里先生行状記
吉川 英治
Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme
それも老公から、あまり激越はやめいと叱られて、歌わないことになったが、何かにつけ、幕府へ気がねをつかうらしい老公が、彼らは歯がゆくてならなかった。
はからずも今、琴にあわせて、宮のお歌を耳にし、また、老公の自作をあわせて聞いたので、多感なうえに、酒気を沈めている彼等は、泣き虫であると泣き虫でないにかかわらず、頭をふかく垂れたまま、ひとりとして、それをにわかに上げる者はなかった。
琴の音はやんだ。
老公はふすまのほうを見、
「いまのは雪乃か」
と、声をかけた。
ふすまを隔てたまま、遠く。
「みな様のご酒興を、少しはお添えできるかとぞんじまして……。おゆるしを待たずにむすめの蕗に申しつけました。おゆるしくださいませ」
「ほ……弾いたのは、蕗か」
「はい。歌は、年がいものう、ばばが自ら歌いました」
「雪乃。いつも健勝でよいの。むかしながら気のつくことではある。よういたした」
老公は、ふすま越しにいってから、若ざむらい一同へ、
「どうじゃな、そこのふすまを除いてもよかろうか。わしが皆のように若かった頃の知り人じゃが」
と、遠慮しながら訊いた。
花と花
一
もちろん誰にも異存のあろうはずはない。