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Japanische Klassiker mit Furigana

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ばいりせんせいぎょうじょうき

梅里先生行状記

吉川 英治

Lesen Sie 梅里先生行状記 (ばいりせんせいぎょうじょうき) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 209.260 Zeichen · 418 Bildschirme

Aozora Bunko

そして雪乃は、臣下の家に嫁した。かりそめにも、ひと妻である。いまは良人も亡い後家にしてもである。

――人なかこそよけれ。

老公の思慮はわかる。あくまで、ふたりのものを、きれいに持ち終りたいのが望みにちがいなかった。

「かしこまりました」

惣左は、いちど答えてから、

「こよい来いとの仰せは、おそらくその辺の思し召もあろうと、雪乃どのにも、篤とお察しのようでございました。ただ今もむなしくお次にひかえているより、何がなお手伝いでもしようかと、私へお諮りなさいましたから、では、お琴でも蔭から聞え上げてはと、私よりおすすめ申しあげたのでございました」

「そうか。……ムム」

さすがに老公のきげんもいと麗しい。

若ざむらい達は、とりちらした膳や杯をもって、各※(二の字点、1-2-22)、最初に着席したところへもどった。

自分たちがまだ生れない前のはなしである。――老公と雪乃の恋は。その頃、かくれもない問題だったと聞いているふたりの浮名は。

「…………」

青年たちは、どう見るか、粛然と、この古恋の再会に立会っていた。

席がひらかれると、惣左は、次の間のさかいへ寄りそい、ふすま腰へひたと坐った。