Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
「なら、いうけんど……どねえなことをいうても、新さん、気にしちゃいけんぜ。そねえなことのあろうはずは、絶対ねえことじゃけん……」
「…………」
「実は、村で噂しとるのは……兄さんには女が、でけとるちう話なんじゃ。寄居の町かどこかにでも、囲うてあるような按排で……時々通うて行く姿を、見たもんがあるちう噂なんだ……」
「…………」
「それと、もう一つは……困ったことにゃ……」
と友達は、急に声を潜めました。
「新さんのお母さんは、病気で亡なったということになっとるが……そいつは表向きのこんで、……実際は兄さんが、どうかしたんじゃなえかと……毒でも飲ませて、殺したんじゃなえか……と」
「なに? 毒殺?」
途端に私は、顔色が変るのを覚えました。血の気が引きながら、しかも自分の耳が信ぜられないのです。耳を疑いながら、しかも身体がワナワナと、震えてくるのです。
「そ、そいだから困ると、いうとるじゃなえか。何も顔色変えることは、ないじゃないか。ただ、そういう蔭口をきいとる人間が、あるちうだけの話じゃなえか! ……だから俺はいうのが厭だというとるに貴方がいえいえと無理にいわせといて……」