Japanische Klassiker mit Furigana
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いきふどう
橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇
橘 外男
Lesen Sie 橘外男ワンダーランド 怪談・怪奇篇 (いきふどう) von 橘 外男 (たちばなそとお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 198.400 Zeichen · 387 Bildschirme
もちろん親父にも別段の魂胆があってそんなことを言ったわけではございません。ただ一時の方便で万戸屋を扱らうために、口から出まかせを言ったにすぎなかったのでございますが、嘘にもせよ、ともかく万戸屋の前でそんな大口を叩いてしまったものですから、ちょっと正札を付けておくというのも工合が悪くなりましたので、その後は蒲団は正札なしで相も変らず店晒しになったまま、一番人目につきやすい場所に積んでこざいました。
さて、そうこうしているうちにその年も暮れて春を迎え、一月もまたたく間に経ってしまいましたが、二月になればいよいよ私の祝言を挙げなければなりませんでした。
前にも言ったとおり家内は同じ郡内の新町というところから嫁に来ることになっていたのでございますが、時節柄万事控え目にしてというわけで、祝言なぞもごく質素にほんの内輪だけでやることにいたしました。それでも日がいよいよ迫ってくるにつれて仲人は打合せにまいりますやら、親類どもからも祝ってきますやらで、何やかや、まことに忙しい日を送っておりましたのでございます。
そんなわけで、まあ当分は家の中もだいぶ明るいような気持でございましたが、さてその祝言の当夜でございました。