Japanische Klassiker mit Furigana
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
Lesen Sie 欧洲紀行 (おうしゅうきこう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.107 Zeichen · 241 Bildschirme
驟雨のような椰子林あり。
椰子乱るあたかも雨に似たるかな
回教の寺院へ参り、それより護謨園を見に行く。四十哩の速力で三四十分の間、両側は護謨林ばかりだ。紅葉期らしく、護謨は紅葉。突如として香料の匂いが林中から吹き襲う。香木があるらしい。
護謨林を香吹き抜けし士乃道
士乃に着く。奥田氏支配の護謨園(奥田氏とは船中の友なり)椰子と護謨の林の中の一軒家が事務所であった。ここで休息する。ひからびた石垣のような鰐がいる。花咲く下で番人がこれを棒切れで突く。
鰐怒る上には紅の花鬘
椰子酒を飲む。椰子の梢の新芽を切り、そこから流れ出た酒だ。味と色はカルピスに似ているが、生温かく臭気が強い。酒を取るため馬来人は猿のように大椰子の梢に乗る。椰子に昇るときには、土人は斎戒沐浴するとのこと。
士乃の護謨林より引き返し、ジョホール王宮のサルタンの墓を見る。印度素馨の花の匂いが門に漂う。口無しの強い匂だ。王妃の墓の上には、匂いの強烈な花ばかり撒いてある。
サルタンの妃の墓に薔薇もあり
シンガポールの市街を通り、郊外の玉川園にて中食。カンジョンの干潮につづく椰子畑。各国人の服装の中、支那婦人の服装最も美し。