Japanische Klassiker mit Furigana
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おうしゅうきこう
欧洲紀行
横光 利一
Lesen Sie 欧洲紀行 (おうしゅうきこう) von 横光 利一 (よこみつりいち) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 120.107 Zeichen · 241 Bildschirme
ようやく眼まいも停り、立上って砂ほこりを払って歩き出そうとすると、まだ足がふらふらである。
そこへ質問攻めに合うのだが、第一番の質問は、定ってパリーの女はどうだと、こうである。この質問はどこでも受けたが、してみると、何より日本の国の男子の関心事は、女の事だったのかと、今さら憮然とせざるを得なかった。
蒋介石の西安事件より、シンプソン事件の方が世界の人心を衝動したことを思うと、パリーの婦人への人々の関心も、故あることと思う。政治よりも日常生活の方が、やはり人間には面白いのである。人間研究の衰えざること、今も昔も変りはない。作家は思想の商人となるよりも、人間の研究から独自の思想を拾い上げて来ることに、また今年も費すべきが勉強と思う。
「おのれの実価を生かすことすべてから逃げたくない。」
ジイドのように私も今はそう思う。セイフであろうと、アウトであろうと、そんなことは私は知らない。
冬にしてはひどく暖かい。火鉢も火を消し、羽織をぬいで縁側に立って見ていると、ぎっしり花をつけた白梅が枝をたれたまま風に震えている。
ふと私は家内をつれて附近を散歩してみようと思った。