Japanische Klassiker mit Furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme
「そうとより外には考えられません。普通の人には想像も及ばぬ残酷ですが、ああした男にはわれわれの祖先の残忍性が多量に残っていないとはいえません。その上発覚を危む理智において欠けています。存外やりかねないことです。彼は風呂焚きですからね。死体を隠す必要に迫られた場合、考えがそこへ行くのはごく自然ですよ。それに犯人が死体隠蔽の手段として、それを焼却した例は乏しくないのです。有名なウエブスター教授が友人を殺して実験室のストーヴで焼いた話、青髭のランドルーが多数の被害者をガラス工場の炉や田舎の別荘のストーヴで焼いた話などは、あなた方も多分御聞き及びでしょう。ここの浴場の竈は本式のボイラーですから、十分の火力があります。一度に焼くことは出来なくても、三日も四日もかかって、手は手、足は足、頭は頭と少しずつ焼いて行けば不可能なことではありません。幸いに強い南風が吹いていました。(白痴の彼はそんなことさえ考えなかったかも知れません)時は皆の寐静まった真夜中です。彼は滅多に人の来ない彼自身の部屋にとじ籠って、少しの不自然もなくそれをやってのけることが出来たのです。この考えは余りに突飛過ぎるでしょうか。