Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こはんていじけん

湖畔亭事件

江戸川 乱歩

Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme

Aozora Bunko

焚場の戸口に来ると、田舎巡査にしろ、やっぱり御用を頂くお役人です、彼は専門家らしい一種の身構えと共に、手早くパッと戸を開き、いきなり内へ躍り込みました。

「三造ッ」

低いけれども力の籠った声が響きました。ところが、折角の気構えが何の甲斐もなかったことには、そこには三造の影もなくて、見知り越しの使走りの爺さんが、赤々と燃える竈の前に、ツクネンと腰かけているばかりです。

「三造けエ、三造なら夕方から姿が見えねえです。どけ行っただか、さっぱり行方が知れねえです。わしが代りにここの番をいいつかっちまってね」

爺さんは頓狂な顔をして巡査の問いに答えました。

それから大騒ぎになりました。巡査が麓の警察署へ電話をかける。捜索隊が組織される。そして、それが街道の上下に飛ぶ。これでもう三造の有罪は愈々動かすことの出来ないものになった訳です。

本式の捜索は翌朝を待って行われました。街道筋からそれて、森の中、渓の間、隈もなく探し廻ったのです。河野も私も、行がかり上じっとしている訳には行きません。手を分って捜索隊に加わりました。その騒ぎがお昼頃までも続いたでしょうか。やっと三造の所在が分りました。