Japanische Klassiker mit Furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme
一時の出来心に任せて、とんでもないことを仕出かしてしまったと、僕はどれ程後悔したことでしょう。そんな訳で、長吉が約束の場所で首を長くして待っているにも拘わらず、そこへ行くことが出来ません。事件がどちらかにかたづいてしまうまでは、どうしても湖畔亭を立去る気になれません。この十日ばかりというもの、表面に苦しい平気を装いながら、僕がどんな地獄を味わっていたか、とても局外者には想像出来ないだろうと思います。
僕は探偵を気取って、君と一緒に色々なことをやりましたが、実はどこから僕のお芝居がばれてくるか、ビクビクものでそれを待っていた訳なんです。ところが、例の覗き眼鏡をとり外していた時、突如として新しい登場者が現れました。あの晩の怪しい人影は僕はわざと隠していましたけれど、風呂番の三造だったのです。彼が宿の主人の財布を落して行ったのは、前にもいった彼の盗癖から考えてさして驚くにも当らぬことですが、おかしいのは中にあった五百円です。主人は自分の金だといいます。けれど、どうもそぶりが変です。彼は評判の慾ばり爺ですから、当てになったものではありません。そこで、僕は三造がこの事件に関聯して何か秘密を持っているに相違ないと目星をつけ、彼の身辺につき纒って探偵を始めました。