Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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こはんていじけん

湖畔亭事件

江戸川 乱歩

Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme

Aozora Bunko

た。

「あなたはどう思います」暫くすると、河野は鏡から顔を上げていいました。「もし本当に長吉という芸者が行方不明だとすると、どうやら十一番の客というのが怪しくはないでしょうか。僕は知っていますが、その二人の男は四五日前から泊っていたのですよ。余り外へも出ないで、時々芸者などを呼んでも、大きい声を出すでなく、大抵はひっそりとして、何をしているか分らないのです。ちっとも遊覧客らしくないのです」

「しかし、彼等が怪しいとしても、この土地の芸者を殺すというのも変ですし、それに、たとえ殺したところで、その死体をどこへ隠すことが出来たのでしょう」

私は、もやもやと湧き上って来る、ある恐しい考えを打消し打消し、心にもなくそんなことをいいました。

「それは、湖水へ投げ込んだのかも知れません。それとも又……彼等の持っていたトランクというのはどの位の大きさだったでしょう」

私はギョッとしながら、しかし答えない訳には行きませんでした。

「普通のトランクでは、一番大型の奴でした」

河野はそれを確めると、何か合図でもする様に、私の目を覗きました。いうまでもなく彼もまた、私と同じ考えを抱いているのです。