Japanische Klassiker mit Furigana
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こはんていじけん
湖畔亭事件
江戸川 乱歩
Lesen Sie 湖畔亭事件 (こはんていじけん) von 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 69.335 Zeichen · 137 Bildschirme
そして、一人は流し場で、艶かしい女の死体を前に、斧をふり上げていたかも知れません。
読者諸君、私の余りにも神経過敏な想像を笑わないで下さい。あとになって考えて見れば、おかしい様なことですけれど、その時の私達は、その血腥い光景をまざまざと目の前に描いていた訳なのです。
さて、その日の午後になりますと、事件は漸く現実味を帯びて来ました。長吉の行方は、中村家でも手を尽して探したらしいのですが、依然として不明です。湖畔亭の帳場には、村の駐在所の巡査を初めとして、麓の町の警察署長や刑事などが、続々とつめかけて来ました。噂はもう村中にひろがり、宿の表は一ぱいの人だかりです。主人の心遣いにも拘らず、湖畔亭殺人事件は、既に表沙汰になってしまいました。
いうまでもなく、河野と私とは、事件の発見者として、きびしい訊問を受けなければなりませんでした。先ず河野が、血痕を発見した当時の模様を詳しく陳述して引き下ると、次に私が署長の面前に呼び出されましたが、私はそこで河野の喋ったことを、更に又繰返すのでありました。
訊問が一通り済んでしまってから、署長はふと気がついた様に、こんなことをいいました。