Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
菊亭家と武田家とは、ふかい血縁のある家すじである。その晴季からなんの便りであろうかという点も、伊那丸には、胸おどろしく感じられる。
読みくだしてゆくうちに、伊那丸の目はいっぱいな涙になった。義憤と悔恨の血が交互に頬を熱くした。
伊那丸よ――
菊亭晴季の文はこう書きだしてある。さらにその文意をくだいてここにしるせば、こういう愛国的な長文であった。
伊那丸よ。
都でも近ごろはそなたのうわさをしばしば耳にする。勇ましいことである。けなげなことである。そなたは、貧しくとも、信玄公の名をはずかしめない。
わしは、かげながらよろこんでおる。
だが、そなたはも早や、元服の若者である。一人前の武士となるべきだ。いつまで小さな私怨にとらわれているばかりが真の武士でもなかろう。眼をひろい世の中にみひらいてたもれ。
この一年有半の歳月に、そなたはいまの世相をよくながめ得たであろう。どうであった戦国の浮世は。わけても百姓町人――いやそれよりもっと貧しい民たちの苦しみはどうであろう。
また、あるいはそなたも知らぬであろうが、畏れ多いことながら、いまの御所のお模様は、その貧しい人々よりもまさるものがある。