Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

「なんでござりますか」

「さきほどからみるに、わざと、道なき野末へあんないしていくはあやしい。いったいどこへまいる気だ」

「知りませぬ、わたしは、ひとりで好きに歩いているのですから」

「だまれ、五湖へあんないいたすともうしたのではないか」

「だれが、穴山さまのような、けがらわしい犬侍のあんないになど立ちましょうか」

「おのれ、さては野盗の手引きか」

「いいえ、ちがいます」

「吐かすなッ。さらば何者にたのまれた」

「御旗楯無の宝物が欲しさに、慾に目がくらんで、わたしのような少女にまんまとだまされた! オホホホホ……やッとお気がつかれましたか」

「おのれッ」

抜く手も見せず、民蔵がサッと斬りつけた切ッ先からヒラリと、蝶のごとく跳びかわした咲耶子は、バラバラと小高い丘へかけあがるよりはやく、帯の横笛をひき抜いて、片手に持ったまま宙へ高く、ふってふってふりまわした。

ああ! こはそもなに? なんの合図。

それと同時に、ただいちめんの野と見えた、あなたこなたのすすきの根、小川のへり、窪地のかげなどから、たちまち、むくむくとうごきだした人影。

ウワーッと喊声をあげて、あらわれたのは四、五十人の野武士である。