Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
「これ竹童、なにが生意気なのじゃ」とにらみつけた。
「あッ、あなたはお師匠さま?」
さらぬだに目玉の大きい竹童が、瞳をみはってあきれ返った。なんと、鷲とおもって打っていたのは、鞍馬におるはずのお師匠さま、果心居士ではないか。
ふしぎ、ふしぎ。かれは天空から落ちたときよりぎょうてんして、からだを石のようにこわくさせ、口もきけず、逃げもできず、ややしばらくというもの、そこにモジモジとしていたが、ガラリと棒切れをすてて、地べたへ額をすりつけてしまった。
「お師匠さま。わたしがわるうござりました。どうぞごかんべんあそばしくださいまし」
「びっくりしたか、どうじゃ悪いことはできないものであろう」
居士は、ニヤリと笑って、足もとの岩へ腰をおろした。
「まったくこんな胆をつぶしたことはございません。これからけっしてお師匠さまにむだんで遠くへまいりませんから、どうかおゆるしくださいまし」
「よしよし、仕置はさんざんすんでいるのじゃから、もうこのうえのこごとはいうまい」
「エ、じゃアとんでくるうちに、あんな目にあわしたのもお師匠さまでしたか。エ、お師匠さま。どうして人間が鷲になんかになってとべるのでしょう?」