Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
それからおしてもここはかなりの高地にちがいないが、この山そのものがあたかも天然の一城廓をなして、どこかに人工のあとがある。
すると、コーン、コーン、コーンと深いところで石でも切るような音。と思えば、ザザザザーッと谷をけずるような響きもしてきた。竹童はこの深山に妙だなと思いながら、なにごころなくながめまわしてくると、天斧の石門、蜿々とながき柵、谷には桟橋、駕籠渡し、話にきいた蜀の桟道そのままなところなど、すべてはこれ、稀代な築城法の人工を加味した天嶮無双な自然城だ。
「これはすてきもないところだナ、いったいなんのためにこんな砦があるのだろう」
竹童はふしぎな顔をして、もとのところへ帰ってきてみると、いつのまにか、ほんもののクロが居士のそばにちゃんとひかえている。
「竹童、早々したくをしていかねばならぬ。用意はできているか」
「ハイいつでもかまいません。けれどお師匠さま、でがけにひとつうかがいたいことがございます」
「そんなことをいってるまに時刻がたつ」
「いいえ、たった一言、いったいここはどこの何山で、だれのもっている砦でございましょうネ」
「おまえなどは知らないでもいいことだが、お使いをする褒美として聞かしてやろう。