Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんしゅうてんまきょう

神州天馬侠

吉川 英治

Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme

Aozora Bunko

いま、拙者が遠矢をかけて追いたてるから、あとは斬るとも生けどるとも、おのおの鑑定しだいにしてくれ」

「ウム、心得た」

といったへんじよりは、龍太郎と小文治、金明泉へむかって馬を飛ばしていたほうがはやかった。

蔦之助は、鷹の石打ちの矢を一本とって、弓弦につがえ、馬上、横がまえにキラキラと引きしぼる。

――小一町は、駿馬項羽で一足とび、

「やッ、しまった!」

と、そこまできて龍太郎はびっくりした。なぜといえば、いましも金明泉のほとりから、笹叢をガサガサ分けてでてきたのは、呂宋兵衛の残党どころか、大せつな大せつな鞍馬の竹童。

竹童はなんにも知らない。金明泉の水でも飲んできたか、袖で口をふきながら、ヒョイと、岩角へとび乗ってわざわざ蔦之助のまとに立ってしまった。

龍太郎はあわてて、うしろのほうへ馬首をめぐらし、

「待てッ、味方だ!」

「竹童だ、うつな!」

小文治も絶叫した。

が、間にあわなかった。プツン! とたかい弦鳴りがもうかなたでしてしまった。

射手は名人、矢は鷹の石打ち、ヒューッと風をふくんで飛んだかと思うと、狙いはあやまたずかれの胸板へ――

あっけらかんと口をふいていた竹童、睫毛の先にキラリッと鏃の光を感じたせつなに、ヒョイ――と首をすくめて右手すばやく稲妻つかみに、名人の矢をにぎり止めてしまった。