Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
「もう、これまで」
と小太刀をぬいた伊那丸は、その荒武者のまッただなかへ、運にまかせて、斬りこんだ。
咲耶子も、覆面なのを幸いに一刀をもって、伊那丸の身をまもろうとしたが、さえぎる槍や大刀に畳みかけられ、はなればなれに斬りむすぶ。
「めんどうくさい。武田の童も、手引きしたやつも、片ッぱしから首にしてしまえ」
大勢のなかから、こうどなった者は、咲耶子と知ってか知らぬのか、山大名の根来小角であった。
時に、そのすさまじいつるぎの渦へ、突として、横合いからことばもかけずに、無反りの大刀をおがみに持って、飛びこんできた人影がある。六部の木隠龍太郎であった。一閃かならず一人を斬り、一気かならず一夫を割る、手練の腕は、超人的なものだった。
それとみて、愕然とした根来小角は、みずから大刀をとって、奮いたった。
と同時に、一足おくれて、かけつけた忍剣の鉄杖も、風を呼んでうなりはじめた。
空はいよいよ暗かった。降るのはこまかい血の雨である。たばしる剣の稲妻にまきこまれた、可憐な咲耶子の身はどうなるであろう。――そして、武田伊那丸の運命は、はたしてだれの手ににぎられるのか?