Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
だされたら虻蜂とらずじゃ、ええ、あの半間の燕作のやつ、いったいどこへいってしまったのだろう」
ブツブツ口小言をいいながら、濠のまわりをいきつもどりつしていると、向こうから足をはやめてきた男が、ひょいと木を楯にとって、
「だれだ! そこにいるなあ?」
と、ゆだんのない目を光らした。
「おや、おまえは燕作じゃないか」
「なアんだ、婆さん、おめえだったのか」
と、声に安心して、早足の燕作、木のそばをはなれて蚕婆のほうへのそのそと寄ってきた。
「どうしたんだい、半間にもほどがあるじゃないか」
と婆は燕作を息子のように叱りつけて、
「竹童みたいな小僧には斬りまくられ、旅僧ににらまれればすぐ逃げだすなんて、いくら町人にしても、あまり度胸がなさすぎるね」
「婆さん婆さん、そうガミガミといいなさんな。あれでも燕作にしてみりゃ、精いっぱいにやったつもりなんだが、なにしろ竹童のやつが必死に食ってかかってきたので、すこし面食らったというものさ。だがおまえが木の上にかくれていて、れいの針をふいてくれたので大助かりだッたぜ」
「そうでもなければ、おまえさんは、あんな小さな者のために、般若丸のためし斬りにされていたろうよ」