Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
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「アレーッ」
と泣いて逃げるもの。神馬小屋へ飛びこんで、馬のお尻にかくれるもの、さては韋駄天と逃げちる者など――いまが今までの散華舞踊は、一しゅんのまにこの我武者のろうぜきで荒涼たるありさまと化してしまった。
それにも飽かず、この三人の浪人者。
またぞろ八神殿の参詣道に、ヒョロヒョロとあらわれて、あッちへ当り、こッちへ当りちらし、肩で風をきってくる。
「こらッ、物売りどもは、店をかたづけい」
「見世物小屋はたたんでしまえ」
「鳴り物をはやすことはまかりならんぞ。いまは、そんな時世ではないのだッ、このバカどもめ!」
「秀吉さまは、合戦のまッただ中、町人のくせに、祭などとはもってのほか、さッ、店や小屋はドシドシとたたんでしまえ!」
手には刀をふりまわし、足はそこらの物売りの荷を片ッ端から蹴ちらしてゆく。――烏帽子を売っていたおじいさん、鳩の豆を売っているおばあさん、逃げそこなってかわいそうに、燈籠の下で腰をぬかしてしまう。
さらに哀れをとどめたのは――大勢の客を呼びあつめ足駄ばきで三方にのっていた歯磨き売りの若い男、居合の刀を持っていたところから、一も二もなく目がけられて、豹のごとく飛びついてきた酒乱の浪人者に、血まつりの贄とされた。