Japanische Klassiker mit Furigana
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しんしゅうてんまきょう
神州天馬侠
吉川 英治
Lesen Sie 神州天馬侠 (しんしゅうてんまきょう) von 吉川 英治 (よしかわえいじ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 511.765 Zeichen · 1011 Bildschirme
いかにも得意らしいことをいった。だが泣き虫蛾次郎よ、ひとの愛している鷲をうばって乗りまわしたり、ひとのダシに使われてもらったお金で買いぐいをしたり、また益もなく都の町を浮かれあるいたりして、それがなんの自慢になる! それがなんで男の誇りだ!
あの秀麗なる神州美の象徴。富士の裾野に生まれながら、どうしておまえはそんなきたない下司根性をもっているんだろう。情けないやつ、意気地のないやつ、怠けもの、腰ぬけ腑抜け、お天気な少年!
それはみんな、蛾次郎よ! おまえの名だ。
おいらは鞍馬の山育ちだ。
だが、蛾次郎よ。
おいらはおまえのような下卑たやつとは心のみがき方がちがっている。また、おいらがこんな乞食のような姿になっていたり、盲になってしまったのも、みんな自分の慾ではない。甲斐源氏の御曹子、武田伊那丸さまへ忠義をつくすため、また、お師匠のおいいつけを守らんがためしていることだぞ。
おいらは恥じない。
乞食になっても、盲になっても、この竹童の心は八神殿の神々さまや、弓矢八幡がご照覧ある。
罵るものなら罵ってみろ。鷲を返さぬというならば、男らしくどうどうと竹童の前へたっていいきってみろ! オオこの般若丸の名刀でおのれただ一刀に斬りすててくれるから……